愛される盛岡の宿
町全体がしっとりしていて情緒的、何度訪れても飽きることがない盛岡。
どっしりと男らしい岩手山、情緒あふれ色気さえある北上川、中津川、古き良きたてものがまちなかに点在していて、歩いていると自分が映画の中に入ったような気分になります。
刻んできた歴史とお店の思いが独特な空気感となって居心地よい喫茶店も多く存在し、さんぽが楽しい。
もう仕事は終わってしまったのですが、できることなら通いたい。。
そんな自分をかきたてるような「定宿」をみつけました。というか地元女子に教えていただきすっかり気に入ってしまいました。
「熊ヶ井旅館」
創業50年。その頃は盛岡にも情緒たっぷりたくさんの和風な旅館があったそうですが、東北新幹線が通ってからビジネスユースのホテルが乱立、今では旅館は13軒しか残っていないそうです。
入ると一枚板の廊下にしびれます。
お部屋は清潔できれい。お風呂も洗面所も綺麗に掃除してあって使い心地がよいです。
そしてこのお宿はそこかしこに私の大好きな「民藝調」のものが飾られていること。凧、お面、、よ~く見ると外国ものも。
(といいつつアップの写真がない)
民藝館にいくと日本のよいものだけではなく、柳宗悦などの民藝家が世界各地で見つけたよいものの収蔵館があるのですが、そんな感じでした。
「民藝がお好きなんですか?」と聞くと、「自然にそうなったんです」と品があって笑顔の素敵なおかみさん。
ご主人が各地で買ってきた凧やお面、お義母さまが好きだった各地のうつわをずっと50年間飾っていたらこういう風合いがでてきたそうです。
さらにすごいのは、お客様が「この宿にはこれが似合うと思って」と次々におみやげをもってくること。海外のものも多数。外国人のリピーターもしかり。ヨーロッパ、南米、アジア。。それを品良く並べています。
日本の良さがわかるお客様にずっと愛されてきた形がつくりだす空間。
しかし最近の若い子は「お面こわい、気持ち悪い」とかネットに書く人もいるとのこと。。
この宿は、ありのままの日本の良さがわかる、好きな人が泊まる場所。
「自然になった民藝館!盛岡の町にはこんなお宿が似合っている。ずっと続けてくださいね!」といってしまいました。
1Fのこの空間は「熊ヶ井食堂」という夜は飲み屋さんになります。
ベアレンビールはじめ岩手のお酒せいぞろい。旅人には嬉しい。
元おかあさまのお部屋を個室にしています。この感じ、ほっとする。。隠れ家的に知事さんとかがお使いになるそうです。
そしてひとなつっこい番犬「ごんた」。3代目だそうです。癒される、たまらない。この犬に会うためにだけでも盛岡いきたい。。
素泊まり5000円。でも泊まるだけではもつたいない。次はここで夕食&飲んでゆっくりしよう。また来よう。