【あおもりめぐり・八戸】<ごはん>中華そば200円の愛情たっぷり食堂
八戸の中心部にラーメン200円の食堂があるとの情報。
そんな話、放っておけない。
朝4時から始まる「せんべい喫茶」、その後巨大マーケット「館鼻岸壁朝市」と朝文化の熱い八戸を堪能後、
青森旅〆の場所として向かいました。
誰もが二度見してしまう、驚き料金。
年季により価格表示が薄いのが、気になる。
勇気を持って入口を開けると
男性ひとりずつの常連さんと思しき方、工事現場でひと仕事終えたと思われるチーム、ご婦人たち、ご家族、様々。
価格は現役のものでした。
厨房にはお母さんと補助の方。でも実質お母さんが一人で作り仕切っています。
カウンターには揚げ物、焼き魚、煮込み、お惣菜、冷やしトマトが並んでいて、どれも美味しそう。
一人で切り盛りしているので当然テーブルに来なく、どのタイミングで注文してよいか、おどおどと店内を見渡すと・・・
常連さんは洗い場までどすどすと入っていって、お皿を自分で洗っている。
黙々と迅速に食べ、食べ終わったら即座に立ち、自分のお皿を厨房の方に持っていく。
同時に備えつけの布巾でテーブルを拭き、さっと席を空ける。
お客さんは感謝の意味も込めて、自然とお母さんを助けているようです。
注文した中華そばは、お母さんのこだわりと愛情がたっぷり染み込んだ、優しい味。
値段から予想する雑さが全くありません。
全てのありえない価格はお母さんの「安くてお腹いっぱいになってほしい」との気持ちから50年近く据え置き。
中華そばの透き通ったスープは、煮干しや鶏ガラ、野菜などを約3時間煮込んで作るという。
カレーやその他のメニューも「家庭で食べるような優しい味」を大事にしているという。
*2015年5月27日付東奥日報 記事より
「定食 時価」の表示には驚いたけれど、カウンターに並んだものからチョイスするそうで、350円ほどで済むそう。
近くにあったら、なんてありがたいんだろう。
きっとこんな食事を、誰かに作って欲しくてたまらない人が、全国各地に何十万人といるはず。
こんなこと、なかなかできない。
お母さんの信念と心意気。貴重なものを見せてもらったこれも地域のたからものです。