レトローカル旅

レトロに出会い、地域と繋がる、最高のひとり旅

唐津の情景①歴史に触れるまちあるき

その土地に降り立った途端、あ、ココ好き!と直感する町があります。流れる空気感、落ち着いた佇まい。そんな町はたいてい歴史があって独自の文化があり、食べものが美味しく、街歩きが楽しい。
唐津は、まさにそんな町でした。

情緒的で大陸的。港町だから荒っぽい面もあるけれど、町を取り巻く玄界灘と大河の情景は穏やかで大らか。
そして土を探すところから基本ひとりで丁寧に作られる唐津焼の魅力。
美味しい食べものと気になるスイーツ。
町を知るに連れどんどん好きになり、最後には離れたくない気持ちまでになる町でした。
今思い返してもウットリします。
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福岡方面から海沿いを走る電車でずっと海を眺めていると、瓦屋根の家並が目立ってきて「あ、なんかこの情緒的な風景素敵!」と思ったら、唐津に入っていたのでした。
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玄界灘に面した町。陽もサンサンと降り注いでいて、健康的な匂いがします。

駅から一泊目の宿「洋々閣」に向う間の風景でトリコに。松浦川の大陸的な流れと情緒的な風景に心惹かれます。
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宿で自転車を借りて町へ。
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唐津城が大陸に向かってそびえ立っています。橋もひとつひとつが重厚に造られていて、風景はまるで異国のよう。

江戸時代から続く天領の城下町だけあって、町のあちこちに石垣が残っています。
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そして歴史的建造物もあちこちに。
こんな歴史的さんぽと唐津の代名詞とも言える美味しいものが、歩ける範囲である、というのも唐津の魅力です。

まずは旧唐津銀行へ。

唐津を訪れたかった理由のひとつが辰野金吾の故郷ということ。監修の旧唐津銀行は赤煉瓦に白い御影石のまさに辰野式スタイル。

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中は設計者の田中実がこだわったアールヌーボー調がところどころにみられます。
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解説を読むと明治18年設立時の初代頭取が大島太郎という若干26歳なのが驚きです。

佐賀には明治維新の時代の変わり目に活躍した偉人が多いのですが、
唐津が偉人を輩出したのは、明治3年に唐津藩主が設立した洋学校「耐恒寮」の高橋是清の教えが大きいようです。しかし若干17歳の型破りな高橋是清を東京から呼んでしまった藩主のご英断…。

続いては旧高取邸へ。唐津城近くの海岸ぞいにある、炭鉱王の旧邸です。
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ここ、邸宅内がほんとうに素晴らしくて唐津の魅力の大きなひとつであるのに撮影禁止。もったいない!
炭鉱王、というとイメージがあまり良くないのですが、この高取氏は本当の実業家で教養豊か。
和風建築の中にアールヌーボー調のランプシェード。大広間は能舞台にも。能舞台の奥にしつらえられた杉戸絵も圧巻です。大隈重信が訪問する際にそのためだけに作られるたトイレは有田焼のタイル。
贅沢ではあるけれど、品格のある素晴らしい邸宅です。

玄界灘の風と海の音も心地よく、裏通りを抜けるとすぐに美しい海が広がっている好立地です。
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このちょっとの街歩きですっかりトリコになっているのですが、この後さまざまな風景もお宿にも唸りっぱなしなのでした。。続く