先日八戸に行ってきました。
八戸といえば、観光プロモーションの大お手本、他の自治体の憧れのような存在です。
八戸で育ったこともあり、私自身もこの街に関心を持ち続けていたのですが、
新幹線が開通した辺りからコンテンツの切り方、観光商品の開発がずば抜けています。
「陸奥湊の朝市」は新鮮で安い魚介類が食べられ、働きモノの行商のおかあさん「いさばのかっちゃ」との会話が楽しくて有名です。
また八戸は漁師の街であることから朝6時から銭湯が開き、早朝から銭湯に行く文化があります。
その朝市と銭湯をセットにしたビジネスマン向けツアー「あさぐる」は秀逸。
早朝6時にホテルにタクシーに迎えにきます。美味しい八戸ならではの朝ごはんとひとっぷろを楽しんで8時半にはホテルにタクシーが到着、それから仕事に向かうという、出張ビジネスマンにターゲットを絞った官民協業の取り組みです。
素晴らしい、素晴らしいと唸っていたのがこれ以上の、ビジネスマンが泣いて喜ぶような八戸の楽しみ方がございました。
仕事ではなかなか取り上げずらく、でも本当に素晴らしいのでここでご紹介します。
「鮫銀座★漁師の隠れ家はしご酒ツアー」
「鮫」というのは八戸の港町です。
そこに、かつては賑わってたであろう、漁師さんが通う小さな呑み屋街がひっそりと残っています。
八戸線という海沿いのJR線に乗って、一見さんは絶対入れないお店に入ってお酒と情緒を愉しむ、という、
八戸市民もできない、相当貴重なツアーです。
八戸線、市民には馴染みがありません。私も10年間いて2度位しか乗りませんでした。本数も少ないです。
切符をもらい、4駅ほど乗ります。
途中、
遊郭があった「小中野」や魚市場がある「陸奥湊」を通り、それぞれの街の説明も車中でしてくれます。
鉄道ファンにはたまらない「鮫」駅に到着。ちょうど日が暮れる頃です。
ここから飲み歩きがはじまります。
基本「一杯」と「おつまみ」がツアー料金に含まれ、追加注文は自腹。楽しくて安いので、ほとんどの方が追加注文してました。
1軒目ではこんなメニューも。
お店のすぐそこの港で取れたタコ。でも茹で方によって全然味が違うので
「佐藤さん」が茹でたものと「田中さん」のタコ刺しと食べ比べです。
本当に全然違う。わたしは柔らかくて塩気の少ない佐藤派でした。。
40分位楽しんで、
お店を出た頃はちょうど夜のはじまり。
いよいよの鮫銀座に向かいます。
鮫銀座。こういうお店がちょこちょこっと並んでいる「銀座」横丁です。賑わっているのではなく、ひっそり、しみじみというのもある程度の大人の男性なら、良さがわかるはず。。、
二軒目は「三島屋」という焼き鳥屋さん。
佇まいにぐっときます
中に入るとニコニコしたおかあさんが迎えてくれます。
そしてこの町だからこそ出る、店の味わい。色んな人が通って、それぞれに物語があって、という人が生きたカタチが店の端々に残っています。
酒の肴はもちろん焼き鳥。
こんなメニューたち。
追加料金もかわいいモノです。
いよいよクライマックスの3軒目。
カウンターに横並びで飲みます。
テキパキとしたかっこよい女将さん。
愚痴聞いて励ましてもらえそう。。
肴は地元でしか作らないという海藻を固めた独特なおつまみと八戸のイカ、マヨネーズと七味付き。
最後には八戸の民謡「八戸小唄」をスタッフが唄い、女将さんが踊りました。
個人的には馴染みのある歌だったのでじんときました。なんとか生き延びてこうやって一応は仕事でこの町に再訪できて、しかも子供の頃には決して知らなかった大人ならではの愉しみを味わえて、と感慨深いものがありました。
この、大人になって良かったツアー、
自力ではなかなか無理がありますので、地元のツアーに申し込みがよいです。
6月にもあるようです。
https://actygoing.wordpress.com/page/2/
この素晴らしい取り組みを企画実行されているのはアクティの町田直子さん。
地元のNPO法人ですが、魅力的なコンテンツを発掘し、自らも企画開発し、他に類を見ない企画を様々打ち出している、尊敬する女性です。 この方による企画は、どれもこれも最上級。
「面白い!」と思ったことの切り方と実行力の賜物なのかと思いますが、
もうとにかく、八戸の魅力を何十倍にして伝えています。
わたしも元八戸市民として、こんな方が八戸にいて良かった、ありがとうございます、という感謝の気持ちでいっぱいです。
八戸に行ったら、いえ、八戸に是非行って、他では味わえない、最高の夜を過ごしてください。
▪️アクティ
そうそう、八戸は夜がディープです。。最高の夜の過ごし方をもうひとつ、またお伝えしたいと思います。