レトローカル旅

レトロに出会い、地域と繋がる、最高のひとり旅

四谷ちょっとさんぽ

雨降る夜に四谷さんぽをしてきました。
四谷といっても四谷駅周辺のみ。でもそんな小さなエリアのみでずいぶん楽しめます。

好きなモノが似ている同僚が出産のためしばらく仕事を離れるので、お祝いも兼ねて、しごと帰りにぷらっといってきました。
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といっても10年ぶり位の無理矢理5時ピタ。柳宗理デザイン事務所のそばにある「柳ショップ」が18時に閉店してしまうからです。

柳宗理の台所用品やカトラリーをちょっとずつ集めているのですが、四谷に柳宗理デザイン事務所があり、ショップもあるという情報を聞き付けて気になっていました。
お誘いした20代後半の同僚は大学生の時、バイト代を柳宗理鍋やフライパンに全部注ぎ込んだというツワモノ。

四谷駅近く、でもなかなかわかりづらい裏道を一本入ったところの昭和レトロなアパートの一階にショップはありました。
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雨で夜だったので建物は撮らなかったのですが「住みたい!」と思うようなシブ古い佇まいでした。隣の建築事務所も昭和モダニズム。

中に入ると本当に1坪位で棚が2つあるだけの小さな空間。同僚のお腹が大きいので柳宗理椅子を用意してくれたのですがそうすると身動きが取れなくなりました。
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フライパンや鍋だけでなく、柳宗悦が指導した出西窯や因州中井窯もありました。風合いが美しくてしばしうっとりしてしまいました。
縁だけは素焼きのままでワザと釉薬をかけない、焼くときに重ね合わせたらでてしまう、お皿の底の跡をなくす、などを指導していたとのこと。

フライパンも鉄だけではなく、今はセラミックもあるそうです。
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柳宗理デザインは百貨店や雑貨屋さんなどそこかしこに展開されてますが、
鉄鍋やトレーなどあまりみたこともないものもたくさんあり、2人で終始興奮しっぱなしでした。
お店の人と話しが弾むと「この用具はこうも使えますよ」という多様な使い方や「わたしも使ってるけれど、大した手入れせずに何年も経つ」とか教えてくれて、道具がぐっと身近になります。
結局、代表作品である「器に注ぎやすい」蓋つき鍋とザルを購入。
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小さなフライパンや品切れしてなかったスチールボウルは、またの機会にきっと死ぬほど愛しているだろうショップの方と会話しながらちょっとずつ揃えようと思いました。

すっかり長居をした次に向かったのは
四谷駅近くのたい焼き「わかば」。
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たい焼きさここが一番のお気に入り。
あんこが品が良く甘すぎず、かつ尻尾までぎっしり詰まっているのです。
お店ではイートインもできます。
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焼きたてのパリッパリです。
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ホクホクを食べていたらシアワセになり、今日あったイヤなことも忘れてしまいました。
湯呑み茶碗もお皿もお持ち帰り用の包み紙もかわいい。
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同僚は鯛焼きが大好きだったらしく、箸置きも鯛焼きにしてるくらいだそうで、これまた喜んでいて良かったです。
かわいい女性が喜ぶと嬉しくなるおじさんの心境ときっと同じです。

その後は四谷駅前にあるレトロ喫茶「ロン」へ。
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この喫茶店、前から相当気になっていましたがレトロ喫茶ブームの昨今、女性誌の表紙にもなっています。
そしてつい大阪芸大などを設計した高橋靗一の初期作品でもあります。一階と二階が吹き抜けになっています。
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席から眺める光景も絵になります。
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二階に上がる螺旋階段もライトも
品があって落ち着きます。
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雨降る夜にぴったりな空間でした。。ここでゆっくりするのは結構な贅沢なこと。
メニューには、クリームソーダ、ミルクセーキ、レモンスカッシュもありました。
卵サンドと珈琲をオーダー。
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卵が甘く仕上がっていて「お好みで」と添えられた塩を振ると、ぐっと美味しさが増しました。

17時に会社を出て、3時間弱のさんぽ。
日々追われて余裕がない自分にとってはいつも通っている場所なのに、ちょっとした旅行をした気分になりました。
近くても、常に旅はできますね。