レトローカル旅

レトロに出会い、地域と繋がる、最高のひとり旅

【東京・墨田めぐり】松山油脂さんの工場見学に行ってきた

思いをはせて苦節5年。やっと松山油脂さんの工場見学に行ってまいりました。

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松山油脂。社名でピンとは来ないかもしれませんが「M-mark series」「LEAF&BOTANICS」のブランド展開を見たこともあるはず。

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無添加、肌に優しくて安心。ナチュラル志向の女性にファンが多く、都内ではそこらじゅうに売っていて、お手頃価格もうれしい。

私も長年「肌をうるおす保湿スキンケア」シリーズを愛用しています。また現社長が請負型の石鹸工場から 基礎化粧水やボディクリーム、シャンプーなどケア&ウオッシュ分野における自社商品ブランド化を行い、駅ビルや百貨店、コンビニにも販路を展開していて、ブランディングのお手本。大ファンです。

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さらに私はものづくりの街である墨田の勝手なファンでもあり、「よいものをつくる現場をみてもらうことで商品や地域のファンになってもらうツアーとワークショップがしたい!」とずっと思ってきました。

 

私の念が通じたのか、最近松山油脂さんとご一緒することがあり、この思いを伝えたところ、人気の工場見学&ワークショップのお知らせをいただいたのでした。

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本社及び工場は墨田区八広(やひろ)にあります。八広は古くからなめし皮革産業が盛んな土地で、なめしで採れる油を使って石鹸を作ることも盛んであったそう。知らなかった。墨田は「石鹸のまち」でもあるそうです。墨田区、やっぱりすごい。


京成線八広駅から歩いて約10分。見た目は下町のよくある工場なのに、案内されたのは工場の上にある、素敵な空間。ちょっとしたホテルのようでうっとり(ロッカーや社員の休憩室もリゾートホテルみたいでした。。)

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参加者の各席には工場見学用の帽子や上着とともに、松山油脂さんのブランディングノート(冊子)が。

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一つは「Factory Tour Book」。工場見学用だけの冊子!で、製品づくりのこだわりと工程がとてもわかりやすく記されています。装丁も中もシンプルでおしゃれ。

 

松山油脂さんはこうした「製品への思い・大事にしていること」と「顧客への思い」に力を注ぎ、ケア・コスメ業界にありがちなプロモーションにはお金をかけないそう。そして商品企画やこんな素敵なデザインも、外注することなく、全て自社内で行うことにより、自力で製品力を高めていらっしゃいます。素敵。

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時間になると、松山油脂さんのこと、ウォッシュケア商品の概要を聞いて、現場へ。

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まずはじめに驚いたのが、「人の目と手」がたくさんあること。もちろん機械があるけれど、工程ごとに人が入っていて手作業も多く、手間ヒマがかかっていました。空ボトルのゴミチェック、ボトルに液体に詰め込む動作、欠品チェック、梱包まで。

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商品のお値段は良心的なのに、人件費云々コストは大丈夫なのかな?と心配になるほど。それだけ商品をきちんと届けようとしていることがわかります。

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そして働いている女性の肌がとてもキレイなことに気づく。もちろん自分達がつくる商品を使っているそうです!

 

クライマックスは窯場。昔ながらの釜焚き製法で石鹸を作っています。なめしの油脂を釜に入れ、熱して撹拌、その後苛性ソーダを加えることにより脂肪酸グリセリンに分け、脂肪酸ソーダに反応して石鹸に。

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この鹸化(けんか)の後、塩を加えて不純物を沈殿させ石鹸の純度を高める。24時間後にまた塩を入れ、どんどん純度を高める工程は約100時間だそう。

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釜場は相当暑くて夏はしんどい。しかし純度の高い石鹸は保湿性を高められるので、70年以上受け継いだこの古き良き製法を使っているとのこと。

こんなこと見聞きしたら、松山油脂しか使えなくなってしまいます!一緒に行った同僚は目をキラキラさせ子供の参加者を差し置いて質問をたくさんしていました。いやあ感動。


この後はシュガーと重曹とアロマオイルで作るバスシュガーづくりのワークショップ。

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同時にアンケートを書いて渡すと、こんなプレゼントも手渡しでいただきました。無料の講座でたくさん商品いただき申し訳ない。。

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帰る頃には参加者全員が目がハートになっており、お土産の物販コーナーには人だかりになっていました。私ももちろん、爆買い。肌キレイになれ。

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いただいた冊子「Factory Tour Book」の最後に「お礼」というページがありました。見学に来たお礼とともに松山油脂さんの大切にしていることが記されています。「挨拶・整理整頓・人の話を聞く態度」だそうです。

 

今回の工場見学を通して、もちろんますます商品のファンになったけれど、一番感動したのこの3つの大事にしている社風がビシビシ伝わってきたことです。

30人参加のワークショップにたくさんの社員が10人以上つ費やして、丁寧に誘導。時間も正確で無駄がない。こんな社員用張り紙を見つけ、分単位で計算しているんだ、とイベントやワークショップを開催する身としてはうちのめされました。。完璧。

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そういえば本社に伺った際も、社員の方の席の上はパソコンのみで、書類が山積みな自分の席を恥ずかしくなったのでした。

 

★魅力ポイント

・愛がこもった丁寧なものづくりをみられる。

・安心して商品を使えてファンになること間違いなし

・最先端、おしゃれさと従来の古き良きものが共存。企業とものづくりの素晴らしさを感じられる

★ひとり旅ポイント

・ずっと聞いたり見たりする学びの時間だからひとりでも複数で訪れても同じ。スケジュールも程よく休憩ありでも余計な時間なく、全然孤独をかんじませんよ。

 

■松山油脂

https://www.matsuyama.co.jp/

*墨田工場の見学&ワークショップは夏休みなどに行われます。ホームページに掲載されすぐに埋まってしまうのでちょくちょくチェック。河口湖工場では定期的にされているようです。