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たからものさがし

日本の地域に根付いたよいモノ・コトを自分のフィルターを通じて記していきます。

弘前街あるき③ディープ編 夜の路地裏と横丁呑み

弘前、午前、午後の街あるきで十分満喫しているのですが、「これを味わえなきゃ弘前を知ったことにならない」との助言により「夕暮れ路地裏散歩とちょい呑み」ツアーも夕方から体験させていただきました。
地元の方とじゃなかなかいけない、路地裏巡りと横丁呑みもつくツアー。
地元の方と呑みにいける、ってだけでとても嬉しいです。ねぷた」も見てみたかったのでねぷた見学つきにもしてもらいました。そう、ご紹介をいいことに案内人と1対1のプライベートツアーにしてくださったのです。

ディープになることは想像してましたが、想像以上の、自分にとっては嬉しくてたまらない夜になりました。
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夜の部を案内してくださったのは「とったんさん」。本業がトタン屋さんだからだそうです。
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「見かけによらず優しい人気モノ」とは聞いてましたが、納得。男っぽいことばに優しさがあり、青森育ちとしては「やっぱこれだわー」とほっとします。

まずは弘前公園のお堀沿いに並ぶ、スタンバイ状態の山車を観に。
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びっくりするのが、とったんさんと一緒に街を歩いていると3メートルおきくらいに人が挨拶するのです。弘前市民の半数以上が知り合いなんじゃないか。。
街の親分的存在と、地元テレビにもでているらしく、どうやら有名人。。そんな方をこのお祭りの時期に独占して申し訳ない気持ちに。

とったんさんは30年以上祭りを率いていて「ねぷた」の解説もしてくれました。
神事ではなくハレとケのお祭り。夏の忙しい農作業の眠気を流す、七夕中の「眠りながし」の風習が訛ったと言われているそうです。

各山車の下に「漢雲」という文字が書かれているのですが、これは七夕という意味だそう。
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表面の「鏡絵」は三国志水滸伝などの武者絵にて「動」を表現。
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裏面の「見送り絵」は美しい女性を描いて「静」と余韻を残します。
このコントラストが美しいです。
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また墨絵書きのあと、ロウ書きという工程があり、光が蝋を通して漏れて絵や色が夜に美しく彩られるそうです。
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蝋で縁取りされています。

自衛隊の山車がスタンバイしてたのですが、お昼に山車を運ぶ姿が面白かったです。
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メイン会場の大太鼓のレセプションを突き抜け
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そそくさと夜の界隈へ。

昔の鍛冶町は今は
スナックなど小さな飲み屋が連なっています。こんな姿は地方に残っているとは思いますが人口の割に多すぎる。八戸もこんな飲み屋がたくさんあってワンダーランドなのですが、港町ゆえ大漁のとき漁師が飲み歩いたから、と聞いた覚えがあります。
津軽の冬は長いから、なんでしょうか。

そしてビルの一階に入ると映画のセットのような渋さ。現役です。
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よく見ると構造が変。奥の下に下がる階段の先にまたお店。
多分付け足し付け足しでできたのでしょう。。
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ここから違うビルのスナック街にも通りぬけできます
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この迷路のような通りぬけ構造。
ハシゴをしてもらうため?冬の寒さを少しでも凌ぐため?
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こんな自力では絶対いけないような場所に、文化と生活を勝手に垣間見ることができます。

そして陽が暮れてきて、ねぷたを待つ人でごった返す通りを突き抜け、「かだれ横丁」で呑み始めるのでした。
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「かだれ横丁」は屋内にある屋台村。冬は屋外ではとても耐えられないので室内に作ったそうです。カレー屋さんや人気のクレープ屋さんもあります。
そこでとったんさん行きつけのお店で
弘前名物をいただきます。席もとっておいてくれてました。。
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食べたかった名物「いかメンチ」。メニューで「いがめんち」になってました。カリッカリで美味しかったです。
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そして津軽ではよく食べるというナスと味噌のしそ巻き。
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結構味が濃くて、津軽のキンとした日本酒にとても合います。
そして
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珍味に生卵を和えて食べるのは初。南部と津軽ではやっぱり文化が違います。

そんな美味しいものに喜んでいるのもつかの間、またここでも驚くのが「ここはカオス?」と思うほど、色んな人が集まってくること。
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役所や企業の偉い人から、ねぷた祭りの仲間。皆んなとったんさんの顔見知りで、飲食店なのに呑みに来たおばちゃんが買ってきたものをとったんさんにプレゼントしてその場でおつまみとしてたべたり。サロン的な場なんでしょうか。
ここにくれば絶対知り合いがいるそうです。

特に目を見張った、というかいいなぁと思ったのが、地元だけでなく、外部の人も溶け込んで楽しんでいること。
お祭りということもあって、帰郷して仲間と会う場にもなっているらしいのですが、
弘前が好きで東京からバスで月イチのペースで通っている女子や、ねぷた弘前が好きで祭りのシーズンは必ず訪れる女性がいて、もう地元の人みたいにすっかり溶け込んで楽しんでいるのでした。
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とてもとてもいい場です。

そういう「ここに行けば仲間がいる」場は東京でも作れるとは思いますが、
私は東京に帰ってきてからも「あーいう場があったらなあ」と羨ましく思いました。
そして弘前「来る人拒まず大歓迎、皆んな仲間」の精神に胸を打たれます。
私も実際そうしてもらってますり翌日参加することになったねぷたや祭り
のあとの「ねぷた小屋」でも、「とったんのお客だから」と歓迎してくれたのが感激的でした。
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この魅力たっぷりの人気モノとったんさんには翌日もお世話になるのでした。

翌日、中心街にある中央食品市場でランチしたのですが
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八百屋さんもお惣菜屋さんもみんなとったんさんに挨拶します。
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魚屋さんに「これとこれとで500円くらいにしてご飯買ってくるか、丼にしてくれないかねー(という津軽弁)」「津軽ラーメンたべたいけれど半分に」という私を考慮した特別オーダーにも皆んな快く受けています。
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津軽ラーメンはさっぱりしてて今すぐにでもまた食べたくなる味だし、お母さんのお惣菜も海鮮丼も美味しかったです。
死ぬ時に思い出しそうな味。
これで多分1000円もいってないです。
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この中央食品市場は弘前を訪れるなら必見の素敵な場所です。
でも最初は、町あるきツアーとして観光客を連れて来るのに怪訝な顔があったようです。
そこを何度も通い、時間を重ねて徐々に信頼関係を築き、そうして今の姿になったそうです。
青森で育ったので、最初の閉鎖的な感じ、想像できます。

今、全国の様々な地域で、地元の方による取り組みがあって、、地域の本当の良さがどんどん表にでてきて、その姿に私は敬服しきりなのですが、
それぞれこうした努力と理解の積み重ねをされていることを改めて思いました。誤解や軋轢もたくさんたくさんあるかと思います。
地元を愛して動いている方に、ますます尊敬の念を覚えるのでした。

そして呑みの間に見たねぷたに感動。
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美しくて憂いがあって泣きそうになりました。
しかし、とったんさんは「ねぷたは見てもつまんねぇ、参加するもんだ」と。
そんなもんかなぁとぼやっと思っていたのですが、翌日の夜、自分も参加しているのでした。

◾️弘前路地裏探偵団「夕暮れ路地裏散歩とちょい呑み」