町の息吹を感じる感動ツアー「長崎"プライベート"さるく」
思いもかけず「長崎さるく」の仕掛け人とつながり、長崎に着いたとたん「プライベート長崎さるく」がはじまったのでした。
「長崎さるく」はずっーと気になっていた存在。いわゆる観光スポットではなく、小さな路地を入ったところや曲がりくねった石畳の坂道をきったところに町の魅力を感じてもらう、地元視点での町案内。「さるく」とは長崎弁で「ぶらぶらあるく」という意味だそうです。
この時の感覚は今でも忘れられません。
数時間前に繋がった人と、異国情緒たっぷりの町をおしゃべりしながら並んで歩く。映画の中にいるような、不思議な感覚でした。
潤介さんの手にかかると、写真を撮って終わりの眼鏡橋もその周辺もとたんに色づき、輝きはじめます。街が動きだし、ヒトの息吹を感じはじめるのです。
例えば、眼鏡橋含めこの川にかかる橋はすべてお寺に続く道。町の区分も区画ではなく通り沿いで町内会が形成されているのだそうです。
川沿いにそれを説明する掲示がありました。タイルなのも異国情緒たっぷり、長崎的。
町の境界線が「背割」を今も見ることができます。
眼鏡橋は背後からも観ます。この景色のほうが、美しい。
この奥にシングルアーチの石橋があるのですが、眼鏡橋は日本で最初の石橋を作るテストケースだったそうです。
ウンウンと頷きながら歩いていると、「ここで大川さんにプレゼントです」と
の声。昔懐かしい屋台のアイス。
ローズ型になっているのがなんともおしゃれ。食べながら川沿いを歩くと、自分が町の一部になったようで嬉しくなりました。こんな仕掛けも素敵です。
続いて橋から直ぐの界隈へ。そこは古いものと新しいものが共存する魅力いっぱいの商店街。
潤介さんが育った町だから顔馴染みも多く、会話が弾みます。
酒屋さん。
ザボン漬けやさん。初めて見たのですが、文旦の砂糖漬けで長崎の伝統菓子だそう。
唐から伝来、舟の重しとして、乗組員の糖分と水分とビタミン補給として役だったそうです。お店のおかみさんががとても愛らしくて素敵です。
長崎は和菓子屋さんではなく饅頭屋さんというのが独立してあるそうです。
確かに後でよく見るとそこかしこにありました。中国の影響なんでしょうか。
佇まいが美しいです。
特に惹かれたのが昆布屋さん。
ごはんに添えるさまざまな風味の昆布を計り売りしていて、「今日はこの味にしようかな」と潤介さんは買っていました。昆布をお惣菜のように選ぶこと、憧れます。
このショーケースもさまざまなこんぶ。
昆布飴のパッケージが可愛くてお土産にしました。
ほっとする優しい味と食感でお気に入りに。長崎再訪したらまたこのお店は行きたいです。
この通り沿いには多分日本一有名な、老舗カステラ屋さんがあったり
もう少し街中に入ると、またも歴史ある寿司屋さんがありました。
ここでも異文化的な楽しいことが。
鉄火巻を頼むとマグロではなく、旬のお魚を巻くのだそうです。お店や時期よって、鉄火巻の中身は変わるんだそうです。もう、こういうの、たまりません。
こんな歴史ある通りのすぐ横には、ワカモノが似合うおしゃれな界隈も。
ここで美味しい珈琲を飲みながら、感想などをゆっくりお話ししました。
この町あるきは体験はジワジワとくる感動ものでした。
町を愛する人と一緒に歩くことで、
ただの観光では決して見えない、
そこに生きてきた、そして今生きているヒトの生活と息吹を十分味わうことができるのです。
そこで日々慎ましく営まれている、これまで営まれてきた人々の生活をぐっと身近に感じ、その生活を通してこの町の歴史や文化を知ることができます。
それは名所を見て歴史を感じる、美味しいものを食べてご当地を知る、といういわゆる観光とは格段に違います。
人とのちょっとした触れ合いもあって、
たちまちその町が身近になって、ファンになる感じ。親近感が生まれるのです。
旅とは本来こういうことなんだとおもいます。現地の生活を知り、そして視野が少しだけ広がって自分の生活に戻る。時々その地の人に想いを馳せる。目に見えないもので、つながっている。。
しかし、現地に友人がいる、とか、よほど社交的でなければ、こんな体験はなかなかできないです。
そんなかけがえのない旅を実現させてくれるのが長崎さるく、という町の仕掛けです。
今各地でこういう楽しい仕掛けがどんどん出てきてます。旅好きな方にはぜひもっともっと活用したいなと思いました。
さて、潤介さんの長崎さるくは、結構有名どころもおさえてて、いわゆる観光要素もばっちり含まれているのも魅力でした。
実はさきほどのスタンドカフェ、いきたいなあと思っていたところだったのです。
それに夕ご飯は老舗。
どんぶりいっぱいの茶碗蒸しと蒸し寿司とお店の雰囲気も感激でした。
これなら長崎初めての方でも大満足です。
これはたまたまですが、長崎くんちの練習風景に出会いました。潤介さんもかつてずっと参加していた場です。
若旦那衆が腹の底から声をだして、粛々お練習していました。伝統をしっかり守る、その男前な風景とドラの音が忘れられません。
こんな裏っ側をみたら、好きにならずにいられない、ですよ。