レトローカル旅

レトロに出会い、地域と繋がる、最高のひとり旅

有田さんぽ

乳白色の磁肌繊細で優美に描かれた絵付けやなんとも言えない藍色の紋様に惹かれる有田焼。九州に行きたかったひとつが、有田焼を見る、知ることです。
今右衛門窯、辻常陸窯、深川製磁などの伝統的なものから雑貨感覚で買えるものまで多種なのも魅力です。

有田でも、焼きものに詳しい方にご案内いただきました。

有田焼は17世紀初め、朝鮮から連れてこられた陶工の李参平が、日本でも白磁を作りたいと旅にでて、有田で磁石場を発見したことからはじまります。
まさに韓国や中国にありそうな風景です。
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その数十年後の1650年代には、東インド会社によって輸出され、ヨーロッパ各国を魅了することになるのです。
というような有田焼の歴史と有田焼の特長は「九州陶磁文化館」でよくわかります。わかりやすい構成で美しい器をたくさん見ることができます。
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中でも興味深いのが朝鮮陶工が山合いで登り窯を作り始めると、佐賀藩主が技術や人が他に流出しないように、そのエリアを閉鎖してしまうのです。
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それが今、古い街並みとして大事にされている内山地区。
町家や洋館が建ち並ぶレトロな街並みです。
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この通りには香蘭社はじめ様々な窯元のショールームが揃っていて、街並みを楽しみながらお気に入りのうつわを見つけられます。お手頃価格なメーカーさんもあるのがほっとします。
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このメイン通りから裏道に入ると、美しい通り道が。
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陶器の廃材を赤土で埋めた「トンバイ塀」。独特の味わいがあります。
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この先を抜けたところにある川は、かつて職人が失敗作を投げ捨てていたそうです。
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表通りは車道で広めなのですが、裏通りはゆっくり歩くのによいです。
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さらにこの町ならではのものが。
階段を上り、線路を渡る参道。
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その奥には鳥居、灯籠、狛犬までもなんと「有田焼」で作られた神社があるのです。
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陶山神社といって、有田焼の神様、李参平を祀っているところです。この神社の奥にある高い山のてっぺんに李参平のお墓があり、有田の街を見下ろしていました。

この内山地区は、上有田駅からそれほど遠くなく、レンタサイクルもあるので便利です。
ちょっと車でいくと、龍泉峡という峡谷の緑をみながら、有田焼のうつわで食べれるすてきなランチスポットも。
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私は今回街や歴史を知って、素敵な作家さんにも会えて、帰ってきてから有田焼に目覚めたというか、こんどはあの窯元いきたい、この伝統の絵付けがみたい、早くまた行きたい、と思いが募ってます。
有田焼も奥が深いので、年を重ねるほどきっといいものがわかってくると思うのです。なんど行っても新たな発見がありそう。それに「有田に通う」って素敵じゃないですか?