レトローカル旅

レトロに出会い、地域と繋がる、最高のひとり旅

浜松の染物屋

最近のひとり旅は
「まずその土地の民藝屋さんを尋ね、お店の方のおすすめのところを聞いてみる」
昨年、盛岡の宿にあった民藝の店を朝イチで訪れたときお店の方と話が盛り上がり(もちろん普通の客として)、「でしたらこの工房がいいですよ、あそこの喫茶店はわたしもお気に入りで多分お好きだと思いますよ」と色々教えてくれました。
これもご縁と、その日はその方おすすめの場所をゆっくり辿ることにしたのです。

そうしたら、今までと違う旅が待ってました。
窓が額縁のようになっていて、道を歩く人が絵になるようなカフェだったり、ここから見る岩手山がいいと聞いた場所で涙がでそうになったり。

好きなものが同じ人とは嗜好も似ています。その主観に任せてみると
自分好みの、しかも地元に根付いた人とつながるような旅になります。。

先日、前々から気になっていた浜松に行ってみました。
上記のことは実は全く忘れてたのですが、結果的に同じような街巡りになりました。

浜松に行きたかったひとつは
私が愛してやまない型染め作家「芹澤けい介」のお弟子さんのお店があるからです。
あまり時間のない中、このお店だけには行きたくて、近くに宿をとったほどです。 

お店を探し当てたとたん、胸が高鳴りました。良いものが詰まっている!と確信するたたずまい。
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中に入ると、意外にもモダンなモノたち。
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弟子である染色家の山内さんは77歳だそう。でもこのポップなデザインも色味もその方によるもの。
渋谷のお店でこの春から展開してるそうです。いけてます。
とくにいいなあと思ったのは手前の風呂敷。
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薄地でデザインも透けて美しい。

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スカーフにもなったりで防寒にも。これを持って海外旅したら色々役立ちそうだし日本の文化発信にもなりそう。

地元のセレクトショップD&D静岡店ともよくコラボしていて、ワークショップも山内さんの工房で、自らのご指導で行っているそうです。
山内さんとはお会いできなかったけれど作品や取り組みからさぞ柔軟な方なんでしょう。
 
後継のことが気になり少し聞いてみました。
後継者問題よりもまず染色の原料の問題が大きいとのこと。
化学染料の規定の厳しさなどで原料を作ってくれるところが少なくなり、染色ならではの独特の色が出せなくなっているそう。

浜松には民藝ものがたくさんあります。
「ざざんざ織」「浜松注染」。日本で初めての民藝館もあるそうですが今は閉鎖しています。
産業都市ゆえ伝統文化は大事にされてこなかったようです。

でも浜松の文化を大事にしているような若い方による本屋さん?が近くにあるときき、まずそこに行ってみることにしました。。