レトローカル旅

レトロに出会い、地域と繋がる、最高のひとり旅

四谷ちょっとさんぽ

雨降る夜に四谷さんぽをしてきました。
四谷といっても四谷駅周辺のみ。でもそんな小さなエリアのみでずいぶん楽しめます。

好きなモノが似ている同僚が出産のためしばらく仕事を離れるので、お祝いも兼ねて、しごと帰りにぷらっといってきました。
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といっても10年ぶり位の無理矢理5時ピタ。柳宗理デザイン事務所のそばにある「柳ショップ」が18時に閉店してしまうからです。

柳宗理の台所用品やカトラリーをちょっとずつ集めているのですが、四谷に柳宗理デザイン事務所があり、ショップもあるという情報を聞き付けて気になっていました。
お誘いした20代後半の同僚は大学生の時、バイト代を柳宗理鍋やフライパンに全部注ぎ込んだというツワモノ。

四谷駅近く、でもなかなかわかりづらい裏道を一本入ったところの昭和レトロなアパートの一階にショップはありました。
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雨で夜だったので建物は撮らなかったのですが「住みたい!」と思うようなシブ古い佇まいでした。隣の建築事務所も昭和モダニズム。

中に入ると本当に1坪位で棚が2つあるだけの小さな空間。同僚のお腹が大きいので柳宗理椅子を用意してくれたのですがそうすると身動きが取れなくなりました。
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フライパンや鍋だけでなく、柳宗悦が指導した出西窯や因州中井窯もありました。風合いが美しくてしばしうっとりしてしまいました。
縁だけは素焼きのままでワザと釉薬をかけない、焼くときに重ね合わせたらでてしまう、お皿の底の跡をなくす、などを指導していたとのこと。

フライパンも鉄だけではなく、今はセラミックもあるそうです。
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柳宗理デザインは百貨店や雑貨屋さんなどそこかしこに展開されてますが、
鉄鍋やトレーなどあまりみたこともないものもたくさんあり、2人で終始興奮しっぱなしでした。
お店の人と話しが弾むと「この用具はこうも使えますよ」という多様な使い方や「わたしも使ってるけれど、大した手入れせずに何年も経つ」とか教えてくれて、道具がぐっと身近になります。
結局、代表作品である「器に注ぎやすい」蓋つき鍋とザルを購入。
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小さなフライパンや品切れしてなかったスチールボウルは、またの機会にきっと死ぬほど愛しているだろうショップの方と会話しながらちょっとずつ揃えようと思いました。

すっかり長居をした次に向かったのは
四谷駅近くのたい焼き「わかば」。
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たい焼きさここが一番のお気に入り。
あんこが品が良く甘すぎず、かつ尻尾までぎっしり詰まっているのです。
お店ではイートインもできます。
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焼きたてのパリッパリです。
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ホクホクを食べていたらシアワセになり、今日あったイヤなことも忘れてしまいました。
湯呑み茶碗もお皿もお持ち帰り用の包み紙もかわいい。
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同僚は鯛焼きが大好きだったらしく、箸置きも鯛焼きにしてるくらいだそうで、これまた喜んでいて良かったです。
かわいい女性が喜ぶと嬉しくなるおじさんの心境ときっと同じです。

その後は四谷駅前にあるレトロ喫茶「ロン」へ。
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この喫茶店、前から相当気になっていましたがレトロ喫茶ブームの昨今、女性誌の表紙にもなっています。
そしてつい大阪芸大などを設計した高橋靗一の初期作品でもあります。一階と二階が吹き抜けになっています。
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席から眺める光景も絵になります。
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二階に上がる螺旋階段もライトも
品があって落ち着きます。
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雨降る夜にぴったりな空間でした。。ここでゆっくりするのは結構な贅沢なこと。
メニューには、クリームソーダ、ミルクセーキ、レモンスカッシュもありました。
卵サンドと珈琲をオーダー。
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卵が甘く仕上がっていて「お好みで」と添えられた塩を振ると、ぐっと美味しさが増しました。

17時に会社を出て、3時間弱のさんぽ。
日々追われて余裕がない自分にとってはいつも通っている場所なのに、ちょっとした旅行をした気分になりました。
近くても、常に旅はできますね。





北三陸ブルーに触れる②青の洞窟をくぐる

弘前に行く前、三陸に行っていたのでした。
絶景あり、海の幸あり、そして従来地道で粘り強いヒトの強さがあるこの土地を、遠慮することなく訪れて、楽しんでもらいたいと思ってます。

そんな中、陸中海岸の絶景を海から楽しむ「サッパ船」クルーズを体験してきました。
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「サッパ船」とは、ウニやアワビを採る漁師さんの磯舟です。漁の合間に、海を知り尽くすプロの視点と操縦技で観光客を三陸の絶景を「海から」案内します。

場所は田野畑村の漁村集落。震災の被害が大きかったところです。
でも、元々は「体験型観光」の先進地で、北山崎などの景勝地をみておしまい、の「通過型観光」ではなく、漁師さんが作業や寝泊りに使う「番屋」を活用して、三陸の文化を伝えることをやっていたそうです。さっぱ船クルーズも震災前からあります。
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この漁村の風景「机浜番屋群」も震災で失われてしまいましたが、建て直して、再生の道を歩んでいます。
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机浜番屋のあるところがさっぱ船の出発地。漁船に乗り込みます。
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天気の良い、夏の暑い日だったのですが、出発すると海風が気持ちよいです。

風景がどんどん変わっていきます。

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海岸に沿って走るので、岩肌の感じもよくわかります。海の色も場所によって色々です。

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岩のそこかしこに、海藻が付着していました。立派でおいしそう。
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この自然の産物を、自分でも採れる「もぎたて体験」と、それを陸に上がってからシャブシャブで食べれる「採れたて体験」も同時にできるとステキだなーと思いました。
なぜなら三陸のワカメのシャブシャブって本当に新鮮で美味しくて、カラダが元気になります。ミネラルたっぷりでお肌にもいいです。
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漁師さんは片手でハンドルをさばきながら、グイグイ飛ばしていきます。
北山崎の展望台から遠くに見える岩穴。
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波が結構あったのですが、漁師さんの技でこの狭いところを潜りぬけます。
観光船では通れるところではありません。
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その昔カプリ島まで行って、晴天だったのに青の洞窟が見れなかったので感動です。

船はどんどん進んでいきます。
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そしてこんなに小さな空間にも挑みます。
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中に入ると、ひんやり。
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そして海がエメラルドグリーンです。
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三陸ジオパークのリアル体験。
テーマパークより感動的なのは間違いなし。

リヤス式海岸の断崖は様々な表情を見せます。
岩が象にみえたりゴリラにみえたり。
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そんなことも漁師さんが話してくれるから盛り上がります。
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アドベンチャー的な同舟の中、お客さん同士でも会話が生まれていました。
あっという間の1時間でした。

船長さんは震災のことも少し触れました。岸壁の堤防を簡単に波が通り越してきたこと、船と番屋が流されたこと。
こういうことって、直に聞くことではじめて自分の中に入ってきます。それに多くを語らなくても、まだまだ大変なことも感じとれます。
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ここを訪れるということは、自然に震災のことも知ることとなり、遠くでずっと気になっていることを現地で知る機会に恵まれるということ。

そして今回行った場所は観光に力を入れているところだからだと思いますが
現地の切実な声として、訪れてほしい、と思っています。

三陸の青くてスカッとする空気感や海の絶景、そして海の幸は以前と全く変わらないし、それにヒトの意地というか強さみたいなものも加わって、ますますパワーを帯びています。
少なくとも私は、蒼い海をみて、現地のヒトと話して、美味しいものを食べて、元気がでました。

そうそう、宮古のお寿司が相当美味しくて、1000円代。
自家製の醤油が練りこんでいて、自分では醤油につけずにそのまま手で食べます。
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三陸はちょっと遠いけれど、ここだからあるものに出会えます。


◾️さっぱ船アドベンチャーズ
たのはたネットワーク

盛岡さんぽ


盛岡は、言わずと知れた情緒たっぷりの素晴らしい街。何度いっても飽きることがないです。
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八戸に帰省してた頃、盛岡駅に新幹線が近づくのが楽しみでたまりませんでした。
左手に雄大な岩手山、右手に北上川がしっとり流れ、特にキンと空気の張った雪景色が美しくうっとりしたものです。
そして調子を崩していた時枕元にはいつも盛岡のガイドブックを置いていて、「落ち着いたらいきたい」と憧れの街になっていました。

そんな執念が届いたのか、昨年末より盛岡に何度か足を運ぶ機会がありました。秋、冬、春、夏。いつ訪れてもこの街は魅了しますが、個人的には冬と秋の寒い時期が格段に美しいと思います。
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といっても、いつも同じところを巡る、ずっと初心者のまま。初心者向け?盛岡さんぽをまとめます。

まずは駅を降りて材木町に向かいます。旭橋から望む美しい山と川の情景も盛岡ならでは。
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この橋を渡ると材木町。民工芸のお店「光原社」があります。
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一戸の竹細工、浄法寺漆器など岩手もの、弘前のあけび細工などが置いてあるのですが、うつわは小鹿田焼や、小代焼など九州ものが多いです。
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その奥には珈琲屋さんや宮沢賢治の資料館があり、ここをゆっくり巡るのが落ち着くので毎回行ってしまいます。
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「可否館」は小さな空間で、光原社の制服を着た女性がひとりでやっていて、珈琲を淹れる佇まいとステンドグラスと静寂さが異空間です。(写真撮れる雰囲気ではなかった)寒い冬にここでゆっくりするのが好き、と知人がいってたのを思いだしました。
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材木町から歩くと15分位、また100円バスで10分弱で、有名な石割桜城址公園がある中心部へ。
このエリアは街あるき、おさんぽに最高の場所。
戦火を逃れたおかげで、木造の味のある家や明治時代の洋風建築も残っています。
県庁の隣に古い公会堂。
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地下が洋食屋さんになっていて、クラシックな異空間。ランチは1000円ちょっとのコース。
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トンガリ屋根の消防署があったり、旧岩手銀行の建物があったり。
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中心部を流れる中津川がこれまた情緒的。
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ここからみえる建物の奥の通りに、昔からの竹細工屋さんや南部織、南部鉄器さんがあって、はしごするのが楽しいです。
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また盛岡といえば喫茶店。他の都市とはレベルが比にならない気がします。喫茶店もそれぞれ特別な空気が流れていて情緒感たっぷりなのです。
有名どころを廻ってみて、お気に入りが2つ。
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ご夫婦でやっていて、お父さんの焙煎する豆の匂いが充満していています。
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昔から同じように焙煎してきたことを自然に物語る背中がかっこいいなぁと毎回思います。
時を重ねてきたからこそ生まれる、なんともいえない空気感。自然に肩のチカラが抜けて、コーヒー豆の香りに癒されて
時が経つのを忘れてしまいます。
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ゆったりとした時間が流れているのに、ひっきりなしにコーヒー豆を買いにおきゃくさんが訪れていて、町に愛されていることも伺えました。

そして取材拒否だった、街の中心部の隠れ家。
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比較的新しいお店なのですが、ここもとてもゆったりとした時間が流れてます。
窓が額縁みたいになっていて、小さな通りを歩く人々が絵のよう。
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珈琲も美味しいです。
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それに土日に開かれる神子田朝市も忘れられません。
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野菜や果物、お漬け物、乾物なんでも揃っていて驚くほど安くて美味しい。
リンゴは7個で200円でした。
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盛岡大好きな人は多いし、あまりにも有名な場所でいまさらですが、
この街の魅力は、きっと昔から変わらぬ姿でいることと思います。
この街の良さを住んでいる人がよくわかっていて、この街が大好きでこの流れる空気を大切にしていることがわかります。
きっと、また疲れたら、行きたくなると思います。







弘前の熱い夜〜ねぷたとねぷた小屋体験

ディープな夜の街をご案内いただいた弘前路地裏探偵団のとったんさんに、翌日もまたお世話になっていたのでした。真っ盛りの田舎館村田んぼアートや古い町並みの黒石のこみせ通りに連れてってもらったり、ほんものの津軽三味線を聴かせてもらったり。

そしてとったんさんは夜はねぶたに参加。「せっかくだから参加せ」とのお誘いに勇気がなくお断りしていたのですが、「こんな機会二度とない、乗っかるべきだ」と思い直し、勇気をもって参加することにいたしました。
この勇気って大事。
この後の熱く長い夜はわすれられません。
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所定の位置に足を運ぶと、他の山車よりひときわおどろおどろしい、というかちょっとつっぱってる?感じの山車と群がる人たち。一瞬、いえ相当躊躇しました。
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とったんさんもこんな感じ。
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カッコいい。。

山車の出番を待つ若いコも、モヒカンだったり、それが却ってわたしのまじめ人生に欠如した世界で、やたら興奮してきます。

この山車は電気ではなく、中にロウソクを灯して光を放っています。
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ほかの山車と比べるとライディングは弱くなるのですが、このほうが絵が生きものになって動きだす感じで、いいなと思いました。山車は目立てばいいってもんじゃない、との格言、納得。

そして多分山車の上に乗っかる人は取り仕切る大将みたなものだと思いますが、とったんさんはそうだったのでした。
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そして上がってこい、という。
そんな男社会の聖域に行っていいのか?と躊躇するけれど「好意には乗っかれ」と自分に暗示をかけて、あがっていきます。

ねぷたの上からの景色をみて、なんだか涙がしばらく止まりませんでした。
感動です。これぞ祭りのチカラなんでしょうか。
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ギリギリに参加を決めたので、当然浴衣やはっぴなどなく、この私服で出るのが申し訳ないなあと思ってたのですが
出発間近なのに、わざわざご自宅に戻って取ってきてくださった方が。
丁重にお礼を言うと
「とったんの客だから」とおっしゃる。
ありがたい。
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そして横浜や北海道から参加した女性もいて「一緒に歩きましょう」とか色々気を使ってくれて、輪に入りやすくしてくれて本当にありがたかったです。
そして山車を引く頃には最前列を陣取っていたのでした。
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ねぷたは見るもんじゃなく参加するもんだ」とチームの方が口を揃えていっていたのがわかってきました。
この興奮ってほかのものにはない感じ。だから祭りってあるんだなぁと。
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写真を沢山撮ったのに見事に上手くとれてないのですが
観客が喜んでみている姿がとても印象的でした。

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ひときわ拍手が起こるのが、扇ねぷたをくるくる回すとき。
男衆が縄でグルグルまわします。
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モヒカンの子達がやたら興奮してはしゃいでて、ギリギリな感じ。
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この子たちが弾けるためにお祭りってある気がして、微笑ましいです。
お祭りがあるところで育つ人はしあわせもの。

興奮しきりのあっという間の時間でした。

通りをねけてハケると、山車が除雪車によってレッカー移動してるのも、さすが北国でした。

そしてとったんさんが「あがってこいあがってこい」というようなことをまた言う。どうやらねぷた小屋まで来なさいということらしい。
山車の倉庫で打ち上げをするという。
もちろん図々しさ全開になっていたので
参加させてもらうことにしました。

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しかも上座のような一段高いところにとったんさんはじめ重鎮がいて、皆んなを見下ろしており、そこに図々しく座ったのでした。ちょっと怖そうな兄ちゃんが多いし上下関係をきっちり守ってるのが伺えたのでこれも躊躇しましたが、
考えてみたら、わたしこそ年輩者なので開きなおりました。

このチームの参加初日。さぞコメントつきの反省会があると思いきや、それぞれ黙って飲むだけ。
日曜日の夜ということもあり、飲んだ人から意外にさっさと帰ります。

そんな中、会社の飲み会も絶対一次会で帰る協調性のない私が 、よなよな最後までいてとったんさんを見送り、後片付けもして、最終退館者となったのでした。
それだけ居心地よく、楽しかったのです。
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このチームで30年以上も続けてる、地元に根付きお祭りを愛している方々のお話はどれも面白く、敬服することの連続。
高校生の時に立ち上げ、それから30年続けるって、なんてすごいことでしょう。色んなことがあったことも垣間見れます。でも続ける。
なんでですか、と聞いたら、お祭りがあるからだ、と。胸打たれました。。

私はねぷた祭りよりこの時間のほうが記憶に深く残ってます。この空間を味わいにまた行きたいと思う位。

今回の弘前での貴重な数々は、わたしの見えないとこらで人の繋がりと信頼関係があってのこと。
自分もこれからその辺を意識して、縁ある人にはなるべくできることをしよう、と教えられた時間でもありました。














弘前街あるき③ディープ編 夜の路地裏と横丁呑み

弘前、午前、午後の街あるきで十分満喫しているのですが、「これを味わえなきゃ弘前を知ったことにならない」との助言により「夕暮れ路地裏散歩とちょい呑み」ツアーも夕方から体験させていただきました。
地元の方とじゃなかなかいけない、路地裏巡りと横丁呑みもつくツアー。
地元の方と呑みにいける、ってだけでとても嬉しいです。ねぷた」も見てみたかったのでねぷた見学つきにもしてもらいました。そう、ご紹介をいいことに案内人と1対1のプライベートツアーにしてくださったのです。

ディープになることは想像してましたが、想像以上の、自分にとっては嬉しくてたまらない夜になりました。
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夜の部を案内してくださったのは「とったんさん」。本業がトタン屋さんだからだそうです。
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「見かけによらず優しい人気モノ」とは聞いてましたが、納得。男っぽいことばに優しさがあり、青森育ちとしては「やっぱこれだわー」とほっとします。

まずは弘前公園のお堀沿いに並ぶ、スタンバイ状態の山車を観に。
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びっくりするのが、とったんさんと一緒に街を歩いていると3メートルおきくらいに人が挨拶するのです。弘前市民の半数以上が知り合いなんじゃないか。。
街の親分的存在と、地元テレビにもでているらしく、どうやら有名人。。そんな方をこのお祭りの時期に独占して申し訳ない気持ちに。

とったんさんは30年以上祭りを率いていて「ねぷた」の解説もしてくれました。
神事ではなくハレとケのお祭り。夏の忙しい農作業の眠気を流す、七夕中の「眠りながし」の風習が訛ったと言われているそうです。

各山車の下に「漢雲」という文字が書かれているのですが、これは七夕という意味だそう。
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表面の「鏡絵」は三国志水滸伝などの武者絵にて「動」を表現。
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裏面の「見送り絵」は美しい女性を描いて「静」と余韻を残します。
このコントラストが美しいです。
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また墨絵書きのあと、ロウ書きという工程があり、光が蝋を通して漏れて絵や色が夜に美しく彩られるそうです。
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蝋で縁取りされています。

自衛隊の山車がスタンバイしてたのですが、お昼に山車を運ぶ姿が面白かったです。
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メイン会場の大太鼓のレセプションを突き抜け
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そそくさと夜の界隈へ。

昔の鍛冶町は今は
スナックなど小さな飲み屋が連なっています。こんな姿は地方に残っているとは思いますが人口の割に多すぎる。八戸もこんな飲み屋がたくさんあってワンダーランドなのですが、港町ゆえ大漁のとき漁師が飲み歩いたから、と聞いた覚えがあります。
津軽の冬は長いから、なんでしょうか。

そしてビルの一階に入ると映画のセットのような渋さ。現役です。
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よく見ると構造が変。奥の下に下がる階段の先にまたお店。
多分付け足し付け足しでできたのでしょう。。
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ここから違うビルのスナック街にも通りぬけできます
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この迷路のような通りぬけ構造。
ハシゴをしてもらうため?冬の寒さを少しでも凌ぐため?
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こんな自力では絶対いけないような場所に、文化と生活を勝手に垣間見ることができます。

そして陽が暮れてきて、ねぷたを待つ人でごった返す通りを突き抜け、「かだれ横丁」で呑み始めるのでした。
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「かだれ横丁」は屋内にある屋台村。冬は屋外ではとても耐えられないので室内に作ったそうです。カレー屋さんや人気のクレープ屋さんもあります。
そこでとったんさん行きつけのお店で
弘前名物をいただきます。席もとっておいてくれてました。。
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食べたかった名物「いかメンチ」。メニューで「いがめんち」になってました。カリッカリで美味しかったです。
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そして津軽ではよく食べるというナスと味噌のしそ巻き。
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結構味が濃くて、津軽のキンとした日本酒にとても合います。
そして
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珍味に生卵を和えて食べるのは初。南部と津軽ではやっぱり文化が違います。

そんな美味しいものに喜んでいるのもつかの間、またここでも驚くのが「ここはカオス?」と思うほど、色んな人が集まってくること。
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役所や企業の偉い人から、ねぷた祭りの仲間。皆んなとったんさんの顔見知りで、飲食店なのに呑みに来たおばちゃんが買ってきたものをとったんさんにプレゼントしてその場でおつまみとしてたべたり。サロン的な場なんでしょうか。
ここにくれば絶対知り合いがいるそうです。

特に目を見張った、というかいいなぁと思ったのが、地元だけでなく、外部の人も溶け込んで楽しんでいること。
お祭りということもあって、帰郷して仲間と会う場にもなっているらしいのですが、
弘前が好きで東京からバスで月イチのペースで通っている女子や、ねぷた弘前が好きで祭りのシーズンは必ず訪れる女性がいて、もう地元の人みたいにすっかり溶け込んで楽しんでいるのでした。
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とてもとてもいい場です。

そういう「ここに行けば仲間がいる」場は東京でも作れるとは思いますが、
私は東京に帰ってきてからも「あーいう場があったらなあ」と羨ましく思いました。
そして弘前「来る人拒まず大歓迎、皆んな仲間」の精神に胸を打たれます。
私も実際そうしてもらってますり翌日参加することになったねぷたや祭り
のあとの「ねぷた小屋」でも、「とったんのお客だから」と歓迎してくれたのが感激的でした。
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この魅力たっぷりの人気モノとったんさんには翌日もお世話になるのでした。

翌日、中心街にある中央食品市場でランチしたのですが
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八百屋さんもお惣菜屋さんもみんなとったんさんに挨拶します。
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魚屋さんに「これとこれとで500円くらいにしてご飯買ってくるか、丼にしてくれないかねー(という津軽弁)」「津軽ラーメンたべたいけれど半分に」という私を考慮した特別オーダーにも皆んな快く受けています。
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津軽ラーメンはさっぱりしてて今すぐにでもまた食べたくなる味だし、お母さんのお惣菜も海鮮丼も美味しかったです。
死ぬ時に思い出しそうな味。
これで多分1000円もいってないです。
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この中央食品市場は弘前を訪れるなら必見の素敵な場所です。
でも最初は、町あるきツアーとして観光客を連れて来るのに怪訝な顔があったようです。
そこを何度も通い、時間を重ねて徐々に信頼関係を築き、そうして今の姿になったそうです。
青森で育ったので、最初の閉鎖的な感じ、想像できます。

今、全国の様々な地域で、地元の方による取り組みがあって、、地域の本当の良さがどんどん表にでてきて、その姿に私は敬服しきりなのですが、
それぞれこうした努力と理解の積み重ねをされていることを改めて思いました。誤解や軋轢もたくさんたくさんあるかと思います。
地元を愛して動いている方に、ますます尊敬の念を覚えるのでした。

そして呑みの間に見たねぷたに感動。
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美しくて憂いがあって泣きそうになりました。
しかし、とったんさんは「ねぷたは見てもつまんねぇ、参加するもんだ」と。
そんなもんかなぁとぼやっと思っていたのですが、翌日の夜、自分も参加しているのでした。

◾️弘前路地裏探偵団「夕暮れ路地裏散歩とちょい呑み」

弘前街あるき②ディープ編 かっちゃの女子ツアー


今回体験したかったのは
弘前路地裏探偵団」。観光スボットだけでなく小路や裏通りも案内することで街の文化と生活の息づかいを感じられる、現地の方の視点による街あるきツアーです。
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5月の九州旅行で訪れた長崎で、長崎の街あるき「長崎さるく」の仕掛け人田中潤介さんに急遽プライベートツアーをやっていただき、感動しました。
商店街や路地裏を案内いただくことで、そこに住む人の息吹と生活を感じることができ、その土地がずっと身近になったのです。
その潤介さんが「弘前の路地裏探偵団はすごいよ」とおっしゃっていて、気になように。

そこで図々しく潤介さんを通して弘前路地裏探偵団の団長、そして弘前観光コンベンション協会の事務局長の坂本崇さんをご紹介いただき、2つのツアーを体験させていただくことになりました。
図々しく。

私が訪れたのは8月1日。ちょうど「弘前ねぷた」が始まる日。

ひとつはお昼に行う女子限定ツアー「かっちゃと歩くぶらぶらさんぽ」。かっちゃとは津軽弁でお母さん、ご婦人です。
地元の女性に津軽弁で案内されるなんて、魅力的。女性同士、というのも嬉しいです。

案内してくださった方のお写真を撮らなかったのですが、大きなお子さんがいる、かわいらしいマダムでした。
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一対一をいいことに、私は質問攻め。それに丁寧に応えてくださいます。

弘前は港町でもないのにほんとうに教会がたくさん。
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このことがずっと不思議だったのですが、江戸末期、弘前にも藩校があって、優秀な藩士を横浜で学ばせたそうです。そこで英語を教えてもらったのが宣教師で弘前に誘致したのがはじまりとか。
また弘前には東奥義塾という私学があるのですが、明治時代にいち早くアメリカ留学をさせ、そこで宣教師を連れてきたことも大きいそうです。
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旧東奥義塾外人教師館。

あー城下町はこういう歴史があるから、ひときわ情緒的で文化度が高くなるのです。この歴史がとても羨ましいです。

弘前昇天教会の裏道を行くと、すぐこんな大きなレンガ倉庫が。
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元酒造工場で、りんごの発泡酒シードルが生まれたところ。「まっさん」のように戦後フランスに渡り、シードルを学んで来た方がここで弘前のシードルを造ったそうです。
中心地にありながら今は使われてないそうですが、近年弘前出身の奈良美智が展覧会を行い大成功を収め、そして最近、市が買い取ったことで近々新しく生まれ変わるとのこと。こんな素敵な佇まいがどう生まれ変わるのか、ワクワクします。
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奈良美智の犬のオブジェはおでかけしていていませんでした。修復中だそう。

素敵な煉瓦倉庫をぬけるとすぐに、こんな愛おしくなる風景が。
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こちら、市場ではないです、駅です。
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駅ナカもレトロでたまりません。
昭和27年からそのまま。弘南鉄道大鰐温泉に向かう玄関口。
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かつての東急の電車を使っていて、つり革にふつうに「東急デパートへ」とかかいてあるそうです。
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さきほどの旧シードル工場ではフランス人職人を招聘したのですが、お風呂に入る習慣がないフランス人の匂いが気になり、この路線を使って通わせたとか。。

今や存続の危機下にあるそうですが、こういう景色はなくなって欲しくありません。昭和初期のラッセル車も走ってるそうです。

この線路を渡るとレトロな食堂や鍛冶屋さんがあったり
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すぐ飲み屋街が現れます。
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駅近くで、かつての「帰りに一杯」の場
所。
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この「かくみ小路」は、かつて「角み」という呉服屋さんがあったからだそう。今はおしゃれなレストランやバーが建ち並びます。

この小路を抜けると、今の中心地である土手町界隈へ。
弘前は見事に歩いてまわれる範囲に見所が集まっていてそこも相当な魅力です。

かつての中心地のスクランブル交差点、
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今はマンションになってしまっていますが、かつてだれもがお買い物をした「角は宮川」というデパートがあったそうです。
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デパートって家族との思い出がたくさんつまっている愛おしい場所。地方の百貨店は特に愛が詰まっている感じがして残っていて欲しかった。。

ここからは弘前の象徴である洋館と巡り。
カトリック弘前教会」は、ロマネスクな木造建築。
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この中が圧巻です。
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ステンドグラスには岩木山、りんご、津軽三味線などがモチーフに描かれています。
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そして礼拝堂が畳敷きになっています。
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かつては椅子もなかったのでしょう。畳は冬の足元の寒さを和らげるものなのかな。このようなこの土地ならではの形になった教会は訪れる人を魅了します。
そして撮影がOKなのも、とてもよいこと。こんな魅力は広く伝えたい。。

もうひとつの教会、「日本キリスト教団弘前教会」は残念ながら外観は修理中でしたが、中が特徴的。
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襖を抜けて礼拝堂があったり、
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二階はくつろげるような畳になっていました。
寄付を集うお賽銭入れがあけび細工なのもこの土地ならでは。
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洋館でひときわ圧巻だったのは旧青森銀行。旧五十九銀行本店です。
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函館で修行し、太宰治の生家である「斜陽館」はじめ津軽の多くの洋風建築を手がけた弘前出身の洋館設計士、堀江佐吉の集大成だそうです。

防火のために日本の土蔵造りを取り入れたり、柱や階段に青森産「ひば」や「けやき」を使用してたり
天井壁紙に貴重な「金唐革紙」が施されていたり。
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59をあしらった鍵?も。
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とにかく贅を極めていて圧巻。
でもちょっとおちゃめな面も。
案内人の方が「古い建物はバリアアリー」とおっしゃった階段。
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とにかく右歩けの指示。おしゃれな曲がり階段の先は
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左側から降りると危険。。

このツアーは途中で休憩も。
青森の銘菓といえばほぼすべてがこのメーカーという、「ラグノオ」のお店。
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このアップルパイは大好物。青森に行けば必ず買います。

このほかにも重要文化財を色々回ったり
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スタンバイ状態のねぷた小屋にも訪れました。

気がつけば、路地裏だけでなく「弘前で見てみたいな」と思っていた教会や洋館はほぼ全てまわっていました。

それに「こどもが小さい頃ねぇ」など生活が見えるような色んなお話を聞いたり、ねぷたへの思いを聞いたり。

こんな充実の2時間で2000円。
自分でゆっくり回るのもいいですが
その観光スポットまわりでは見えない生活の匂いがしたり、同じスポットでも地元の方の視点での案内は街が違った景色になります。

こんな充実の昼時間でしたが、この後、夜のディープな弘前ねぷたを、ディープな方にご案内いただき、生涯わすれられない思い出となる時間が始まるのでした。
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弘前街あるき①ふつう編〜ひろさきはフランスです〜


洋館、教会、フランス料理、民工芸、珈琲文化。。津軽の厳しい風土を持ちながら独特の文化を持つ城下町、弘前
もう10年位ずっと憧れ続けていた町です。
岩手に用事があるこの機に、足ををのばしてみました。
そして弘前には違う目的も。気になる地域発街歩きツアーを小耳に挟んだからです。

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まずは自分で、弘前で味わいたかった場所をめぐります。

半日の街歩きで感じたことは
「風景はまるで、フランスの田舎の美しい村。
でも城下町ならではの情緒と津軽ならではの独特の歴史と文化がたくさん残っていて、街歩きには最高」ということ。
教会や洋館、喫茶店の場所が歩ける範囲にあるのも相当な魅力です。

弘前といえば、岩木山とりんごの風景。

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市郊外にある「りんご公園」は岩木山とりんご畑を一望でき、かわいいシードル工房もあります。その風景はフランスの田舎のよう。
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「藤田記念庭園」は実業家藤田謙一氏の旧邸宅。
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絵本にでてくるような洋館で、りんごたっぷりのアップルパイと成田専蔵焙煎のひろさき珈琲をいただきます。
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珈琲とカフェ好きなわたしも、美味しくてうなりました。
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弘前で珈琲文化が発達しているのは、江戸末期に藩士が蝦夷の北方警備に派遣された際、幕府からビタミン不足と浮腫み対策のために支給され、その影響で庶民にも浸透したそう。町のあちこちに、昔からの喫茶店があります。
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こんな町で学生時代を過ごせてたら、と思ってなりません。

ランチで試したフランス料理もとても素敵です。店内は洋食屋さんがちょっとかしこまったような気軽さ。ひとりで入っても浮かない感じです。
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そしてひとつひとつが優しい味で、りんごをそこかしこにちりばめていて、ほっこりと幸せな気持ちになります。ほほ肉のパイ皮の間にりんごの酸っぱさが入ってたり、デザートのシャーベットが果肉の入ったりんごシャーベットだったり。
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そして民工芸。根曲がり竹細工、こぎん刺し、津軽塗。。気になるものはいっぱいありますが、こぎん研究所を訪ねてきていっぱい質問してきました。
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そして街を歩けば、そこかしこに教会や洋館が点在。気になる建物もいっぱい。
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そんなこんなを解消してくれ、さらなる奥深い弘前を教えてくれる、街歩きツアーに午後から参加しました。
女子による女子限定ツアー。
女子、といっても
町の「かっちゃ」、お母さん、
奥さまである弘前のご婦人の視点で案内するの。
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これにてさらに弘前をずっと身近に感じることになるのでした